根拠を添えて納得する、副業者がやる確定申告の種類
前記事の通り、額に関わらず副業の所得があれば確定申告をした方がよい ことが分かりました。
この記事では極力、国税庁のサイト を参照しながら、確定申告について整理していきます。
所得の種類
所得にも色々種類があって、副業による報酬は以下 2 つのどちらかになりそうです。
- 事業所得
- 農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業から生ずる所得
- 雑所得
- 1 から 9 までの所得のいずれにも該当しない所得
- 例えば
(3) 副業に係る所得
[参考: 国税庁 - 所得の区分のあらまし]
freee の記事のいくつかを参考にすると、
- 副収入が雑所得、事業所得どちらになるか、明確な基準はない
- 税務署が事業として営んだと認める => 事業取得
- それ以外 => 雑取得
- 事業とは、独立・継続・反復して行われる仕事のこと
- 独立・継続・反復している事業であれば、個人でも事業所得があると認められる
- 端的に言うと、片手間で小遣い稼ぎ程度ならば雑取得
- 給与所得者の副業の場合、基本的には雑所得として扱われそう
[参考: 副業の確定申告「事業所得」になるか「雑所得」になるかの違いと経費の処理方法 、雑所得と事業所得の違いは? 副業で副収入を得たら、確定申告は必要? ]
個人事業主か、ただの副業者(?)か
よく「副業をしている人は個人事業主でもある」と考えてしまうと思いますが(私だけ?)、上記のことから、違うことが分かりました。
- 副業の業務が事業であると税務署が認めれば、事業所得がある(個人)事業主。
- 副業の業務は事業でないと税務署が判断すれば、雑所得がある人。
という構造なんですね。(“副業者” という言葉は税法上なさそう)
確定申告の種類
国税庁のサイト内で一覧になっているページを見つけられませんでしたが、MoneyForward や freee の記事を参考にすると、確定申告には 2 つの形式があります。
- 青色申告
- 対象の所得は、不動産所得・事業所得・山林所得 (雑所得は対象外!)
- 一定水準の記帳を行って申告を行う
- 申請をする場合、「青色申告承認申請書」を提出する
- 青色申請者にはいくつかの特典がある(控除など)
- 白色申告
- 青色申告の申請をしていない(または出来ない)人が確定申告を行うと、白色申告になる
特定の所得で、色々頑張って申告すると、青色申告になって、いくつか特典が得られる。対象外または色々頑張らないと、白色申告になって、特典はなし。ということですね。
「確定申告をする」とは
具体的にやることは 👇 を作って提出する、ということです。
- 申告書 B
- 収支内訳書(白色申告の場合)
- 青色申告決算書(青色申告の場合)
日々の取引の状況を記帳して、その記帳に基づいて収支内訳書または青色申告決算書を作成します。
[参考: 個人事業者の方の確定申告]
青色申告決算書の方が作成が大変な分、税制上の特典が色々あります。
[参考: 経理コンパス - 個人事業主の青色申告決算書とは(収支内訳書との違い)]
雑所得の副業の場合、白色申告する
副業による所得が雑所得 の場合、白色申告をします(選択肢なし)。 白色申告の場合は前述した通り、👇 を作成・提出します。
- 申告書 B
- 収支内訳書
ただし条件によってルールが異なるようなので、整理していきます。
記帳と帳簿・書類の保存はしなくて良い
記帳、及び帳簿・書類の保存の義務があるのは不動産所得・事業所得・山林所得のみのため、雑所得の副業の場合はしなくて良さそうです。
[参考: 国税庁 - No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度]
収支内訳書は提出しなくて良い
上記の通り雑所得の副業の場合は帳簿を作成しなくてよいため、それに基づいて作成する収支内訳書の提出も必要ないです。
参考: マネーフォワード クラウド確定申告 - 白色申告の収支内訳書とは?書き方・記入例をわかりやすく解説
金額に応じた追加のルール
「やらなくて良い」ことが続いていますが、副業で収入を得る人が増えたことから確定申告の所得計算や手続きに見直しが行われた結果、2022 年分の確定申告から金額に応じてルールが異なるようです。
[参考: 大倉晟生税理士事務所 - 雑所得(副業等)の確定申告のルール化, 国税庁 - No.1500 雑所得]
その年の前々年分の収入金額が、300 万円以下の場合
業務に係る雑所得の金額の計算上総収入金額及び必要経費に算入すべき金額は、その年において収入した金額及び支出した費用の額とすることができます(いわゆる現金主義の特例)
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その年の前々年分の収入金額が、300 万円を超える場合
現金預金取引等関係書類 を保存しなければならない
「現金、預貯金の受取り、支払いに際して作成された書類を保存する」ということ。
- 書類の具体例
- 現金収支の集計表、預金通帳、収入の集計表、請求書類、経費の集計表、領収書
- 場所
- 住所地、または居所地
- 期間
- 起算日から 5 年間
- 決算日 = 確定申告の年分の翌年 3 月 15 日の翌日
- 2022 分の確定申告の場合は、2023 年 3 月 16 日が決算日で、その日から 5 年間保存する
300 万円を超える副業はなかなかレアだと思うけれど、現金でやり取りした時に発生した書類はとりあえず保存するのが良さそう。
1,000 万円を超える
総収入金額や必要経費の内容を記載した書類(収支内訳書など)の添付が必要
収支内訳書などの部分が気になる(他に必要なのは何?)けれど、1000 万円超えの人は専門家に相談したほうが良いので、一旦スルー。
事業所得の副業の場合
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各単語の整理
帳簿
事業の取引や資産や負債、お金の流れなどを記録した帳面や台帳のことです。
取引の内容だけでなく、日時や取引先、財産の状況などさまざまな事を記載する必要があります。
[参考: マネーフォワード クラウド会計 - 帳簿とは?主要簿・補助簿の種類と意味は?書き方や簡単な記帳方法をわかりやすく解説!]
記帳
帳簿に記入していく作業のこと
[参考: 記帳とは|なぜ必要か・何をするべきか]
結論
- 所得の種類によって申請できる申告が変わる
- 事業に該当しない業務から生じた所得 (雑所得) => 白色申告
- 個人事業主 として営んだ事業から生じた所得 (事業所得) => 白色申告 または 青色申告
- 雑所得の白色申告
- 記帳、帳簿・書類の保存(それに基づいた収支内訳書の提出)はしなくて良い
- ただし、所得金額に応じて追加ルールがあるので注意(300 万以下、300 万超え、1000 万超えでそれぞれある)
- 青色申告
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余談
この記事を書くまで、「副業」を行っている人は全て「個人事業主」でもあると思ってた。